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リメンバー・ミー

コロナで家を出られないので、Amazon Prime Videoで借りてリメンバー・ミーを見た。僕は知らなかっただが、これはPixerの映画の中でも近年では際立った傑作と言われている映画らしい。何となく感動しちゃいそうなタイトルだったので敢えて冷めた感じで見ようとして見てたが、やはり感涙してしまった。いろいろ感じること、考えることがあったので、ブログに書き留めておこうと思う。

家族と自己実現について

リー・アンクリッチ監督のインタビュー記事や、映画のレビューサイトで書いてあったことで、なぜこれほど感動したのかという問いに対する答えとしてハッとさせられたことがある。それは家族と自己実現の相反に悩み、どちらを取るべきか揺れ動く主人公の描写が、とてもリアリティがあるということだ。これが、いわゆるその他一般の「夢を捨てずに突き進め!」とか「家族が何よりも大事!」とかどちらか一辺倒なメッセージを発する映画と、この映画と違うところ。その中で主人公ミゲルがデラクルスに家族を捨てて音楽に人生を捧げた自分の選択を後悔していないかを質問したり、デラクルスに裏切られ幻滅し音楽を諦めようとしたりする。主人公が起こす言動が周囲に変化をもたらし、最終的には音楽と家族の両方を実現させることができるような環境に変化させることを果たす。

自己実現に向けて突っ走れる恵まれた環境にいる人は確かにいる。けれどたいていの場合、短距離走のように自己実現に向けて突き進むことはできない。特に結婚したり、親になったらそう。家族は大事、それは疑いようのない事実。この世にこれほど愛情深くなれる関係性はない。その家族を置いてけぼりにしてまで突っ走って掴んだ自己実現は果たして本当に喜ばしいものだろうか。自己実現を目指す理由は自分の幸せのためだろう。けれどもし自分に家族というもう一つの幸せがあるのだとしたら、それを疎かにしてまで自己実現を目指すのはナンセンスだ。

しかし!その両方を実現する道を見つけるのは半端なく難しい。どちらか一方という二者択一の問題にしてしまってそれを選ぶ方が簡単だ。しかもそれぞれの置かれた環境によってかなり個別な問題となり、単純で一般的な解決方法は存在しない。ミゲルのケースはそれがひいひいおじいちゃんの誤解を解き、認知症のひいおばあちゃんのずっと閉じ込めてきた父の記憶と父の歌への思いを開放し、先祖・親族から音楽をすることを認めてもらうということであった。物語の世界であれ、ミゲルがやったことは、夢に向かって勇気をもって行動を起こし続け、自分の気持ちに素直になり、周囲とぶつかり、それでも家族の愛を信じ、考えたり悩んだり反省したりしたこと。きっと、その姿勢は僕らの世界でも一緒なんじゃないだろうか。

家族を大切にするには

この映画をみて、自分は自分の家族を大切にしてきたか、またはしているだろうかと考えた。

僕の亡くなった祖父は幸せだっただろうか。

夫に先立たれ今は伯父さんと二人暮らしの祖母は幸せなのだろうか。足が悪くてデイサービスに通っている祖父は、そして祖母は、幸せなんだろうか。孫である僕は離れて暮らしているけれど、もっと連絡を取り合ってもっと彼らと接する機会を増やすべきなんじゃないか。

実家の父母は。自分は長男であるにも関わらず離れて暮らしている。せっかく孫ができたのに物理的に離れていて会う機会が年に何回かしかない。もっと実家と深いつながりを持つべき、持てる環境を用意すべきなんじゃないか。

そんなことを考えてしまった。元来僕は人との交流はあまり好まないタイプの人間だ。たわいのないことで父母祖父母と連絡を取り合うといったことはしない。

でも逆の立場になって考えてみたらどうだろうか(僕も子どもができたことで、リアルに逆の立場で考えることができるようになったんだなぁ)。僕は僕の子どもや僕の孫に、家族を大切にしようという思いを持ってもらい、もっと連絡を取ってほしいと思うだろうか。もちろん向こうから気にして取ってくれたら嬉しいが、無理して取ろうとしなくてもいいとも思う。彼らには彼らの世界があるし、僕も彼らの年の時には自分の目の前のことに精いっぱいだったと想像するだろう。でもそんなことを言ってたら親子の関係はどんどん希薄になっていくから、盆正月くらいは顔を合わせて話がしたいな、そう思うかな。でも、しいて言えばレンタカーでもいいから自分で車を用意して、フットワーク軽く自分のところにも遊びに来てくれる、みたいなことをしてくれたらうれしいな。

家族を大切にしようとして、無理に連絡を増やしたりしようとする必要はないだろうけど、1)盆正月には必ず帰ること(亡くなった人に対してはお墓参りやお仏壇でのご挨拶を欠かさない)、2)気になることがあったらたまには連絡をすること、はやってもいいのかも。でも、爺ちゃん婆ちゃんの家に定期的に写真を送るサービスなんかがあったらやってみようかな。あとは次のお盆はレンタカーを借りてフットワーク軽く行こうかな。